オージェ電子分光分析(AES)とは

オージェ電子分光分析は、AES(Auger electron spectroscopy)の略で、電子分光分析のひとつで、試料表面(数nm程度の深さ)に存在する元素の定性・定量分析と化学結合状態の分析を行う手法です。

真空中で電子線または軟X線を測定対象に照射し、放出されるオージェ電子の速度(運動エネルギー)を原子固有の束縛エネルギーから算出して、元素の検出と分析を行います。3電子過程を行い得ない水素、ヘリウムは測定不可能です。

一般的な励起源は電子線であり、入射した電子線は固体の数μmの深さまで侵入します。分析対象は、気体分子または固体表面に限られるが、固体では中速電子線の励起深さ、脱出深さが数nm以下に限られるため、最表面の分析手法として最もよく利用されます。

試料表面を二次元走査して情報を得る機能を有していて、電解放出型の電子銃を細く絞った電子線を用いて試料面内をスキャンする装置、走査型オージェ電子顕微鏡(SAM:scanning Auger microscopy)が最も主流であり、固体表面における空間的な分布を得ることができます。

オージェ電子分光分析の特徴
特徴
  • 同時に多元素の分析が可能(Li~U)
  • 深さ方向:~数nmの測定可能
  • 主成分元素の深さ方向分析・線分析・面分析の測定が可能
  • 化学結合状態の分析が可能
用途
  • 固体表面の清浄度、組成、吸着種、薄膜等の検出・測定
  • 金属多層膜の相互拡散評価

オージェ電子分光分析(AES)に対応可能な企業

オージェ電子分光分析(AES)に用いる装置

関連規格

JIS K0161
表面化学分析-オージェ電子分光法-装置性能を示す主要な項目の記載方法
JIS K0165
表面化学分析-汎用オージェ電子分光器による元素分析のためのエネルギー軸の校正方法
JIS K0166
表面化学分析-高エネルギー分解能をもつオージェ電子分光器による元素分析及び化学結合状態分析のためのエネルギー軸の校正方法
JIS K0167
表面化学分析-オージェ電子分光法及びX線光電子分光法-均質物質定量分析のための実験的に求められた相対感度係数の使用指針
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