混合ガス腐食試験(対象:電子制御ユニット(ECU)・車載電装品)

電子制御ユニット(ECU)・車載電装品完成品・ユニットの環境負荷・機械負荷試験

混合ガス腐食試験(Mixed flowing gas corrosion test)は、電子制御ユニット(ECU)や車載電装品に対して、二酸化硫黄(SO₂)、硫化水素(H₂S)、二酸化窒素(NO₂)、塩素(Cl₂)などの複数の腐食性ガスを精密に制御・混合して暴露する環境負荷試験です。

単一のガスを当てるだけの試験とは異なり、複数の腐食性ガスが相互に作用し合うことで発生する「実際の都市環境や工業地帯、排気ガス雰囲気」に極めて近い、リアルで複合的な腐食現象を再現します。車載コネクタの端子接点部、プリント基板のはんだ、微細な電子部品の長期的な接触信頼性や耐食性を高度に評価します。

自動車用部品の国際規格であるISO 16750-4や、環境試験の国際規格であるIEC 60068-2-60に準拠した試験を実施します。

対応規格

  • ISO 16750-4 5.9 Corrosion test with flow of mixed gas
    車載電子機器のガス腐食試験
  • IEC 60068-2-60
    電子部品の混合ガス腐食試験

評価対象となる電装品の構成材料や、実車環境で想定される大気汚染ガス(排気ガス等)の種類に応じて、適切なガス濃度や組み合わせ(メソッド)を選択することが重要です。

評価目的による分類

漏れ及び機能試験(Leakage and function test)

混合ガス試験の実施前後、あるいは試験後の製品に対して、電気的・機械的な機能チェックや、筐体内部へのガス侵入を防ぐシール性(気密性)を評価する試験です。腐食によってECUの気密性が失われていないか、コネクタ端子の腐食による動作不良(リークや断線、信号の異常)が発生していないかを厳密に確認します。

対応規格

  • ISO 16750-4 5.5.3 Leakage and function test

評価対象となる電装品の構成材料や、実車環境で想定される大気汚染ガス(排気ガス等)の種類に応じて、適切なガス濃度や組み合わせ(メソッド)を選択することが重要です。

単一ガス腐食試験(SO2 / H2S)への移行が推奨されるケース

実環境を忠実に再現した接点の腐食・接触信頼性の評価には混合ガス腐食試験が必須ですが、以下のような評価目的・状態である場合は、特定のガスのみを使用する「単一ガス腐食試験」の方が適しています。

  • 銀めっき(Ag)や銅(Cu)系材料を多用した部品に対し、硫化(黒変や接触抵抗変化)への耐性をピンポイントで急ぎ確認したい場合(H2Sガス腐食試験が適しています)
  • 重工業地帯や酸性雨、工業用排気ガス環境(SO2濃度が高い環境)における基礎的な金属材料の腐食耐性を比較したい場合(SO2ガス腐食試験が適しています)

試験条件設定時のポイント

混合ガス腐食試験は、IEC 60068-2-60などで「2ガス(H₂S/NO₂)」「3ガス(H₂S/NO₂/Cl₂)」「4ガス(H₂S/NO₂/Cl₂/SO₂)」といった混合するガスの構成(メソッド)が厳密に定められています。

混合するガス種が1つ増えるだけでも腐食の挙動や進行スピードが大きく変わるため、試験を設計・依頼される際は、車載電装品に使われているめっきの種類(金、銀、錫、ニッケルなど)や、実車での設置エリア(排気ガスが直接かかる場所か、客室内か等)に応じて、適切な試験メソッド(ガスの組み合わせと暴露日数)を正確に選択する必要があります。

混合ガス腐食試験は、微細化と高密度実装が進む現代のECUや、非常に繊細な電気信号をやり取りする車載コネクタにおいて、避けては通れない「微量ガスによる接触障害」を事前に防ぐための最高峰の環境評価プロセスです。実車を取り巻く排気ガスや大気汚染物質の影響を確実にシミュレーションし、製品が市場に適合できる長期的な耐久性能を証明します。

混合ガス腐食試験(対象:電子制御ユニット(ECU)・車載電装品)に対応可能な企業

事例

事例1:OKIエンジニアリングのガス腐食試験

ガス腐食試験

電子部品、めっき製品等の腐食性ガス環境における耐久性を評価する試験です。特に接触部および接続部を保管・動作させた時の腐食性ガスの影響を評価します。 OKIエンジニアリングでは、ガス腐食試験による4種類の腐食性ガス(SO2,H2S,NO2,Cl2)の単独および混合した雰囲気での試験が可能です。

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