耐候性試験とは
樹脂材料・製品、塗装鋼板品、繊維、有機素材、木材などに対して、屋外及び屋内の自然環境による外観劣化(変形・変色・その他変質)、強度低下を短時間で再現して劣化への耐久性を評価する試験です。
劣化の要因と、それによって引き起こされる劣化は次の通りです。
- 太陽光(紫外線)⇒変色や粉化現象(チョーキング)
- 酸素とオゾン⇒酸化
- 熱(赤外線含む)⇒素材の膨張と伸縮
- 湿度⇒加水分解・浸食作用・樹脂が膨潤することによる変形や強度低下
- 雨水⇒加水分解・浸食作用・樹脂が膨潤することによる変形や強度低下・高温に熱せられた材料に熱的なストレスとなる急激な温度変化としてヒートショックの影響による引張強度変化
- 昼夜の温度変化⇒素材の伸縮・膨張、結露
- 塩水⇒腐食
耐候性試験で材料の耐久性評価を行うことで、製品の品質や寿命の予測、材料選定の判断が可能となります。
- 耐候性試験の種類
-
- 耐光性試験
太陽光(紫外線)による劣化を評価します。
屋外曝露よりも強度の強い光ストレスを加えることで、劣化を加速促進して評価します。光化学的劣化は化学結合を壊す光子によって引き起こされ、それぞれの材質には化学反応を起こす臨界波長があり、その臨界波長より短い波長の光によって劣化が起こります。短波長の光源での曝露試験は劣化の促進性を高めますが、自然界では起こりえない異常な結果を生じる可能性があるので、短波長をカットするかしないかは、評価する上で重要となります。
耐光性試験には次の3種類があります。
- カーボンアーク試験:一般的な紫外線評価として使用されています。
- キセノンランプ試験:キセノンランプは最も近似する波長帯域を持つ光源のため、より実環境に近い環境での評価が可能となっています。
- UVランプ試験:紫外線蛍光灯光源での単波長の紫外線のみを照射します。太陽光の数十倍の紫外線量下で照射されるため、短期間での劣化評価が可能となっています。
- オゾン試験
オゾンによる劣化を評価します。
オゾンは強力な酸化作用を持っているので、オゾン曝露試験によって耐久性を評価します。 - ヒートサイクル試験
熱と昼夜の温度変化による劣化を評価します。
- 熱衝撃試験
熱と雨水による劣化を評価します。
- 高温高湿試験
湿度と雨水を昼夜の温度変化による劣化を評価します。
- 人工酸性雨試験
雨水による劣化を評価します。
人工酸性雨の噴霧⇒乾燥⇒湿潤を繰り返すことで、酸性雨による腐食を加速させ、耐久性を評価します。 - 塩水噴霧試験
塩水による劣化を評価します。
- 耐光性試験
耐候性試験に対応可能な企業
-
- 東信電気株式会社[神奈川県川崎市]
- 製品出荷には使用環境を想定した信頼性試験が必要です。東信電気では製品ごとに異なる環境ストレスに対し、必要な試験を選定し、ご提案いたします。
-
- ファクトケイ株式会社[東京都大田区]
- 製品の開発・設計・試作の各段階における素材、部品、製品などの特性把握や、不具合解消のための各種環境試験、ガス腐食試験、電気特性試験など、あらゆる評価試験に対応します。硬度分析、質量分析、SEM観察等、各種分析にも対応します。
-
- 沖エンジニアリング株式会社
- 電子部品・電子機器に関する信頼性試験や故障解析などの製品評価、各種環境試験を受託しております。ISO/IEC17025に基づいた独立試験所として認定を取得しており、公正で中立な第三者の立場で評価・解析を行い国際的に通用するデータをご提供いたします。
-
- 岩崎電気株式会社[東京都中央区]
- 自社開発装置による耐候性試験、光照射環境試験では、屋外環境を人工的に再現。製品や材料の耐候性を評価・予測します。より製品に近い立体物での試験を可能にした複合環境試験を実施します。
-
- テュフ ラインランド ジャパン株式会社[神奈川県横浜市]
- 国際的試験・認証機関 テュフ ラインランドグループの日本法人。第三者機関として、海外へ輸出される工業製品の安全試験・認証の提供や、国内向けの評価サービスを展開しています。
耐候性試験に関係する試験・規格情報の紹介
耐候性試験に用いる装置
-
- 耐候性試験機
- 広義では、検体を促進劣化させる目的で使用する機器。ウェザーメーター(耐候性試験機)とフェードメーター(耐光性試験機)とがあり、両者の区別は光源の種類と降雨装置の有無によってつけられる。
関連規格
- ISO 4892-2
- プラスチック-実験用光源への暴露方法-パート2
お探しの企業が見つからなかった場合は、弊社のコーディネーターが代わりにお探しいたします
お気軽にご相談ください