X線光電子分光分析(XPS)とは

X線光電子分光分析は、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)もしくはESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)と略されます。表面数nmに存在する元素(Li~U)に対し、定性・定量分析のみならず、材料の特性を決める化学結合状態分析ができる手法です。

試料表面にMgKα線やAlKα線などの軟X線を照射すると、電子が光エネルギーを吸収し、光電子として真空中にたたき出されます。生じた光電子の結合エネルギーは元素固有のものなので、そこからを測定することで、試料表面の種類・存在量・化学結合状態を分析することができます。

試料表面の数nmの元素分析が可能であるが、Ar+やC60+イオンエッチングを併用することで深さ方向の元素分布を知ることが可能となります。

X線光電子分光分析の特徴
特徴
  • 同時に多元素の分析が可能(Li~U)
  • 深さ方向:~数nmの測定可能
  • 化学結合状態分析が可能
用途
  • 金属、導体、絶縁体、無機物、有機物の元素分布の分析
  • 金属膜(Cu等)の表面改質層の化学状態の確認

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X線光電子分光分析(XPS)に用いる装置

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