結晶構造解析とは
結晶構造解析とは、結晶の幾何学的な特徴や、光学的な性質、物理的な性質、化学的性質等を構造解析することであり、生物体内の生体高分子、特にタンパク質や核酸の立体構造を解析することで、生物機能の仕組み(原理)を明らかにする研究なども進んでいます。
- 結晶構造解析の種類
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- X線結晶構造解析(X線回折)
- X線が結晶構造によって回折される現象を利用して、散乱されたX線を観測することで、物質の中の電子の分布、物質の3次元構造を知る手法です。結晶内部で原子がどのように配列しているかを決定することが可能です。
- 核磁気共鳴分析(NMR)
- 静磁場中での試料の共鳴による周波数を検出し、有機・高分子・無機化合物の構造解析を行う手法です。特に有機化合物の分子構造解析で多く利用され、NMR測定を行うことで、分子構造や電子構造などに関する種々の情報を得ることが可能です。分子を構成する原子1つ1つを区別してみることが出来る特徴があり、有機合成研究や有機材料開発に広く利用されています。
- 透過型電子顕微鏡観察(TEM)
- 薄片化した試料に電子線をあて、それを透過した電子を結像して拡大観察する手法です。試料内部の形態・結晶構造・組成・電子状態・分子や原子の配列などを調べることが可能です。
X線回折と違う点として、高倍率での像観察と、同一の照射域で極微小ナノメータ領域で電子線回折の情報を得ることが可能です。
結晶構造解析に対応可能な企業
結晶構造解析に用いる装置
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- X線回折装置(XRD)
- X線を固体試料(粉末など)や液体試料に照射し、散乱されたX線の強度を測定し、物質の原子・分子レベルでの構造を評価するための装置。
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- 核磁気共鳴分析装置(NMR装置)
- 原子核を磁場の中に入れて核スピンの共鳴現象を観測し、物質の分子構造を原子レベルで解析する装置。
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- 透過型電子顕微鏡(TEM)
- 薄膜試料に電子線を透過させ、試料中で原子により散乱・回折された電子を観察する顕微鏡。物質の内部構造を観察でき、微細構造の解析に最適。
関連規格
- JIS H7805
- X線回折法による金属触媒の結晶子径測定方法
- JIS K0131
- X線回折分析通則
- JIS R7651
- 炭素材料の格子定数及び結晶子の大きさ測定方法
- JIS K0138
- 定量核磁気共鳴分光法通則(qNMR通則)
- JIS Z4951
- 磁気共鳴画像診断装置-基礎安全及び基本性能
- IEC 60601-2-33
- Medical electrical equipment-Part 2-33: Particular requirements for the basic safety and essentialperformance of magnetic resonance equipment for medical diagnosis
- JIS H7804
- 電子顕微鏡による金属触媒の粒子径測定方法
関連試験
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