X線CTとは

X線CTは、X線を照射し、物体が吸収するエネルギー量を360°計測して内部の3D画像を得る技術です。X線CTスキャンと呼ばれることもあります。
医療用として使われ始めましたが、現在では産業用でも広く利用されています。

X線の透過性は物体の材質や密度によって異なり、樹脂は低出力のX線で透過できる一方、金属は高出力のX線が必要です。これにより、内部構造や欠陥の非破壊観察が可能です。さらに、X線CT技術と三次元測定機を組み合わせて、内部を非破壊で寸法測定する装置も使われています。

X線CTスキャンは、360°の透過画像を取り込み、ソフトで3D画像を構築する点で、2DのX線透過撮影(透過X線)とは異なります。

産業用X線CTの分析
原理
サンプルを回転テーブルの上に置き、X線を全方位から照射し、内部通過した際にX線が吸収されて減衰した濃淡を、線源の反対側に位置するX線検出装置で記録します。コンピュータで画像をフーリエ変換して3次元画像を再構成します。
数ミクロンの焦点サイズのマイクロフォーカスX線源を使用した装置を、マイクロフォーカスX線CTといい、ナノフォーカスX線源の装置もあります。
用途
故障箇所の特定と症状を非破壊で特定することができます。電気接続部の断線箇所、多層基板内部の異常層の特定などで利用されます。
観察対象
半導体、電気・電子部品、樹脂製品、パワーデバイス、パワーモジュールなどが対象になります。

X線CTに対応可能な企業

X線CTに関係する試験・規格情報の紹介

信頼性評価試験に関係する情報を、「信頼性評価コーナー」にて紹介しています。ご参照ください。

信頼性評価コーナー

X線CTに用いる装置

関連規格

JIS B7442
産業用X線CT装置-用語
JIS Z4751-2-44
医用X線CT装置-基礎安全及び基本性能
IEC 60601-2-44
Medical electrical equipment-Part 2-44: Particular requirements for the basic safety and essentialperformance of X-ray equipment for computed tomography
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