グロー放電発光分光分析とは

グロー放電発光分光分析(GD-OES)は、Glow Discharge Optical Emission Spectrometryの略で、発光分光分析法の一つで、めっき・熱処理・蒸着・スパッタなど各種表面処理が施された試料の無機分析を行います。励起放電としてグロー放電を使用し、試料(薄膜)の深さ方向の元素分布を測定します。

高周波を用いてアルゴンガスを電離状態にし、高温(5,000~10,000K)のプラズマを発生させます。分析試料(固体)をそのプラズマ内に導入して、プラズマのエネルギーを外部から与えると、試料に含有されている成分元素(原子)が励起され、元素特有の発光線(スペクトル線)が発光します。この光を分光器で波長ごとに分けて測定し、各元素の質量分析を行います。板状試料を用いると、試料表面から元素の深さ方向分布を測定することが可能です。

誘導結合プラズマ発光分光分析のような溶液化の前処理が不要で、直接分析が可能です。

グロー放電質量分析(GD-MS)も同様の手法であるが、大きな違いは試料中の原子をイオン化して、このイオン化された原子を真空内に取り込み質量分析を行うのがグロー放電質量分析法です。

グロー放電発光分光分析の特徴
特徴
  • 同時に多元素の分析が可能(H~U)(希ガス等の一部の元素を除く)
  • 深さ方向:数nm~100μm
  • 高感度(ppm~)
用途
  • 金属(鉄鋼、非鉄)、非導電率材料(ガラス、セラミックスなど)の表面の深さ方向の元素分析
  • 皮膜や薄膜の厚み評価
  • 電池の電極層の元素分布

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関連規格

JIS K0144
表面化学分析-グロー放電発光分光分析方法通則
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