故障解析とは
故障解析装置
(沖エンジニアリング株式会社様 提供)
材料、部品、製品の故障(不具合・事故)の原因を究明する為に行う解析のことです。故障品の化学分析、機械的特性調査、顕微鏡組織観察の結果を元に実施される事が多くなっています。
最近では、市場や実装工程で生じた電子部品(半導体、電子部品、基板など)の故障解析、不良解析が多く、故障状況の把握、特性の測定、観察・解析が行われます。
- 故障解析の主な方法
- 外観観察
- 光学顕微鏡(OM)や走査型電子顕微鏡(SEM)で細部まで観察して、機械的損傷、異物付着、イマグレーションなどの有無を確認します。
- 電気的特性測定
- LSIテスターを用いた機能試験、AC・DC特性評価などを行って故障機能を判定します。
- 内観観察
- 分解前に、マイクロX線CT装置(XCT)やマイクロフォーカスX線装置を用いた透過X線観察、超音波顕微鏡(SAM)を用いた超音波探査、ロックイン赤外線発熱解析装置(LIT)を用いたロックイン赤外線発熱解析によって、漏れや剥離、発熱箇所といった内部の故障箇所を確認します。
- 分解・開封
- 混酸を用いてプラスチックパッケージを溶融させ、内部構造物を露出させます。
- 内部観察
- 光学顕微鏡(OM)や走査型電子顕微鏡(SEM)で故障箇所を詳細に観察します。
- 断面構造観察
- 希ガスイオンビームや収束イオンビームなどで対象断面部位を露出させ、積層構造や異物混入を確認します。
- 成分分析
- 異物や積層構造の構成元素をエネルギー分散型X線分析や電子線マイクロ分析などで特定します。
対応情報
-
地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)
故障解析に対応可能な企業
故障解析に用いる装置
- 走査型電子顕微鏡(SEM)
- 光学顕微鏡では観察不可能な微小な表面構造を鮮明に観察する装置。肉眼で物を見るのと同じような感覚で、三次元的な画像が観察できます。
- LSIテスター
- LSIの特性測定、特性評価(AC特性実力値測定やマージン測定等)を室温以外に高低温で実施する装置。
- カーブトレーサー
- トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、ICなど各種半導体の特性を測定するための装置。オシロスコープをベースに、電圧源、電流源を備えて被測定物(DUT)への印加をします。
- ハイパワーカーブトレーサー
- 高電圧・大電流による特性評価を実施する装置。
- LCRメーター
- L(コイル)、C(コンデンサ)、R(抵抗器)などの電子受動部品のパラメータ値を計測する測定器。交流電流の流れにくさを測定します。
- リニアテスター
- 入力と出力の関係が直線的(リニア)になっているアナログ集積回路の特性を測定するための装置。
- 集束イオンビーム加工観察(FIB)装置
- ガリウムイオン源からイオンビームを抽出して5~10nmに集束させた上で、試料に照射させる装置。試料の表面状態を高分解能で観察可能。
関連規格
- JIS B6031
- 工作機械-安全性-旋盤
- JIS B6032
- 工作機械-安全性-放電加工機
- JIS B6033
- 工作機械-安全性-据付け形研削盤
- JIS C1805-2
- プロセス計測制御機器-性能評価の一般的方法及び手順-第2部:基準状態における試験
- JIS C60068-1
- 環境試験方法-電気・電子-第1部:通則及び指針
- JIS C60068-3-8
- 環境試験方法-電気・電子-第3-8部:振動試験方法の選択の指針
- JIS C6950-1
- 情報技術機器-安全性-第1部:一般要求事項
- JIS C9335-1
- 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性-第1部:通則
- JIS Z8115
- ディペンダビリティ(信頼性)用語
関連試験
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